4時間の作業が消えた日:ジェンスパーク(Genspark)開発の教訓と完全復旧マニュアル

はじめに:悪夢の瞬間

2024年10月のある日、私はジェンスパーク(Genspark)で占いサイトの大幅なリファクタリングを行っていました。4時間かけて、コンポーネントの再構成、API設計の見直し、データベーススキーマの変更を完了。あとは最終確認だけ、という段階でした。

そのとき、ジェンスパーク(Genspark)のチャット画面が突然フリーズ。ページをリロードすると...会話履歴が完全に消失していました。

この記事では、AIツールの突然の停止から身を守るための教訓と、万が一データが消えた場合の完全復旧マニュアルを解説します。

事件のタイムライン:何が起こったのか

13:00

リファクタリング作業開始。既存のコードベースを大幅に改修する計画。

13:30

コンポーネント構造の再設計完了。ジェンスパーク(Genspark)が新しいファイル構成を提案。

14:30

API設計の見直し完了。RESTful設計に統一し、エンドポイントを整理。

15:45

データベーススキーマ変更完了。正規化を進め、パフォーマンス改善。

16:30

最終確認中、ジェンスパーク(Genspark)に「これまでの変更をまとめてください」と依頼。

16:35

チャット画面がフリーズ。応答がなくなり、画面が固まる。

16:37

ページをリロード。会話履歴が完全に消失。4時間の作業記録が全て消える。

16:40

パニック状態。何が失われたのか、どこから復旧すべきか混乱。

失われたもの:4時間の内訳

消失したデータの詳細

  1. 会話履歴(全て)
    • 設計の議論内容
    • 技術的な意思決定の理由
    • 試行錯誤の履歴
  2. 生成されたコード
    • 新しいコンポーネント(約10ファイル)
    • API実装(約5エンドポイント)
    • データベースマイグレーションスクリプト
  3. 設計ドキュメント
    • 新しいディレクトリ構成図
    • API設計書の改訂版
    • データベーススキーマ図
  4. デバッグ情報
    • 発見したバグとその修正方法
    • パフォーマンス改善の記録

金銭的損失の試算

フリーランス開発者として、時給5,000円で計算すると:

  • 消失した作業時間:4時間
  • 直接的損失:20,000円
  • 復旧作業時間:2時間
  • 追加損失:10,000円
  • 合計損失:30,000円
重要:データ消失は、単なる「時間の無駄」ではなく、「直接的な金銭的損失」である。

原因分析:なぜデータは消えたのか

原因1:コンテキストウィンドウのオーバーフロー

4時間の連続使用で、コンテキストウィンドウが限界に達した可能性があります。GPT-4の128kトークンを超えると、システムが不安定になります。

原因2:サーバーエラー

ジェンスパーク(Genspark)側のサーバーで一時的な障害が発生し、セッションデータが失われた可能性があります。

原因3:ブラウザのメモリ不足

長時間の使用でブラウザのメモリが逼迫し、JavaScriptが停止した可能性があります。

根本原因:バックアップの欠如

しかし、真の原因は私自身のバックアップ不足です。以下の対策を怠っていました:

緊急対応:最初の30分でやったこと

ステップ1:冷静になる(5分)

パニックに陥りそうでしたが、まず深呼吸。感情的に行動すると、さらに悪化させる可能性があります。

ステップ2:何が残っているか確認(10分)

  • ローカルのコードベース:変更前の状態で残っている
  • AIドライブ:古い仕様書は残っている
  • Gitコミット履歴:最後のコミットは昨日
  • メモアプリ:作業開始時の大まかなTO DOリストあり

ステップ3:記憶に頼って記録(15分)

記憶が新しいうちに、手元のメモアプリに以下を書き出しました:

緊急メモの内容

  • 変更したファイル名のリスト
  • 新しいAPI設計の概要
  • データベースの主要な変更点
  • 重要な意思決定(なぜその設計にしたのか)

復旧作業:どこまで取り戻せたか

復旧レベル1:記憶ベース(30%復旧)

緊急メモをもとに、記憶を頼りに再実装。しかし、細かい実装は思い出せず、約30%しか復元できませんでした

復旧レベル2:AIに再生成依頼(60%復旧)

新しいチャット画面で、古い仕様書と緊急メモをもとに、ジェンスパーク(Genspark)に再度生成を依頼。しかし、前回と異なる実装が生成され、品質が低下。

復旧レベル3:手動修正(90%復旧)

AIの出力を手動で修正し、記憶と照らし合わせながら仕上げ。最終的に約90%を復旧しましたが、完全には戻りませんでした。

復旧にかかった時間

  • 緊急対応:30分
  • 再実装:2時間
  • 検証・修正:1時間
  • 合計:3.5時間

✅ 復旧率の内訳

  • コード:95%復旧(AIの再生成で大部分をカバー)
  • 設計ドキュメント:80%復旧(記憶と推測で補完)
  • 意思決定の経緯:50%復旧(「なぜそうしたか」は大部分が失われた)
  • デバッグ情報:30%復旧(同じバグを再発見する羽目に)

7つの教訓:二度と繰り返さないために

教訓1:15分ごとに保存する。タイマーをセットして習慣化する。
教訓2:重要な変更はAIドライブに即座に保存。「後でまとめて」は絶対にダメ。
教訓3:1〜2時間ごとにチャット画面を移行する。長時間使用は危険。
教訓4:ローカルPCにも定期的にダウンロード。クラウドだけに依存しない。
教訓5:Gitに頻繁にコミット。「動くようになってから」ではなく「変更の区切りごと」に。
教訓6:意思決定の理由を記録する。「何を」だけでなく「なぜ」も保存。
教訓7:「まさか自分は大丈夫」と思わない。データ消失は誰にでも起こる。

完全予防策:システム構築ガイド

予防策1:自動保存システム

3-2-1ルールに基づいたバックアップ体制:

  • オリジナル:AIドライブ
  • コピー1:ローカルPC(Google Driveで自動同期)
  • コピー2:Gitリポジトリ(GitHub)

予防策2:作業記録テンプレート

毎回の作業開始時に、以下のテンプレートをAIドライブに作成:

作業記録テンプレート

# 作業記録 - [日付]

## 目標
- [今日やること]

## 変更ファイル
- [ファイル名とその変更内容]

## 意思決定
- [なぜその実装にしたか]

## 次のタスク
- [明日やること]
            

予防策3:チャット移行チェックリスト

2時間ごとに以下を実行:

  1. 現在の作業内容をAIドライブに保存
  2. 重要なコードをローカルにコピー
  3. Gitにコミット
  4. 新しいチャット画面に移行
  5. AIドライブから情報を読み込み

予防策4:タイマー活用

スマホやPCのタイマーを15分に設定。アラームが鳴ったら必ず保存。

まとめ:データ保護は「保険」ではなく「必須」

4時間の作業消失は、私のAI開発キャリアで最も痛い経験の一つでした。しかし、この経験から学んだ教訓は計り知れません。

  • データ消失は起こる:「まさか」ではなく「いつか」起こる
  • 予防が最善:復旧は時間とコストがかかる
  • 3-2-1ルール:3箇所、2つのメディア、1つはオフサイト
  • 定期保存の習慣化:15分ごと、タイマー活用
  • チャット移行:1〜2時間ごとに新チャット
  • 意思決定の記録:「なぜ」も保存する
  • 緊急対応の準備:冷静に、記憶に頼って記録
結論:データ保護は「面倒な作業」ではなく、「未来の自分を救う投資」。今すぐバックアップ体制を構築し、二度と同じ悪夢を経験しないようにしよう。

次のステップとして、自動バックアップシステムの構築や、チャット画面フリーズの予兆も学んで、万全の体制を整えてください。


参考リンク: