AI開発の全体像:企画から運用まで7ステップで理解する

はじめに:AI開発の「見取り図」を描く

ジェンスパーク(Genspark)、ChatGPT、GitHub Copilotなどを使って「AI開発」を始めたものの、「次に何をすればいいのか分からない」と感じていませんか?

多くの初心者が、目の前のコード生成に集中するあまり、開発全体の流れを見失ってしまいます。その結果、以下のような問題に直面します:

  • 「プロトタイプは作れたけど、次はどうする?」
  • 「仕様書って本当に必要?」
  • 「テストはどの段階でやるべき?」
  • 「デプロイって何?どうやるの?」

この記事では、AI開発の全体像を7ステップで解説し、各ステップで何をすべきか、どれくらい時間がかかるかを明確にします。

AI開発の7ステップ全体像

ステップ フェーズ 期間の目安 主な成果物
1 構想・企画 1〜3日 プロジェクト構想書、要件リスト
2 プロトタイプ作成 3〜7日 動作する最小限のデモ
3 仕様書作成 2〜5日 技術仕様書、API設計書
4 開発・実装 1〜4週間 実装済みのコードベース
5 テスト・デバッグ 1〜2週間 テスト済みの安定版
6 デプロイ・公開 1〜3日 公開されたサービス
7 運用・保守 継続 更新履歴、障害対応記録

合計期間:小規模プロジェクトで約2〜3ヶ月、中規模で3〜6ヶ月が目安です。

重要:AI開発でも、通常の開発と同じく「計画→実装→テスト→リリース→運用」の流れは変わらない。AIは各ステップを「加速」するが、「省略」はできない。

ステップ1:構想・企画(1〜3日)

🎯 このステップの目的

「何を作るのか」「なぜ作るのか」「誰のために作るのか」を明確にする。

やるべきこと

  1. アイデアの整理
    • 解決したい問題は何か?
    • 誰がユーザーか?
    • 既存の類似サービスは?
  2. 機能リストの作成
    • 必須機能(MVP: Minimum Viable Product)
    • あると嬉しい機能
    • 将来的に追加したい機能
  3. 技術選定
    • 使用する言語・フレームワーク
    • データベースの種類
    • ホスティングサービス
  4. スケジュール策定
    • 各フェーズの期限
    • リリース目標日

AIの活用法

ジェンスパーク(Genspark)に構想を入力し、フィードバックを得ることが効果的です。構想フェーズの詳細ガイドを参照してください。

プロンプト例

「私は[目的]のために[機能]を持つWebアプリを作りたいです。ターゲットユーザーは[ユーザー像]で、[技術スタック]を使う予定です。この構想について、実現可能性や改善点を教えてください。」

成果物

  • プロジェクト構想書(Markdown形式推奨)
  • 機能要件リスト
  • 技術スタック一覧

ステップ2:プロトタイプ作成(3〜7日)

🎯 このステップの目的

アイデアが「実現可能」かを検証し、開発の方向性を確定する。

やるべきこと

  1. MVPの定義
    • 最小限の機能だけを実装
    • 「完璧」より「動作」を優先
  2. 技術検証
    • 選択した技術スタックが実際に使えるか確認
    • APIの動作確認
    • パフォーマンステスト(簡易版)
  3. ユーザーフィードバック
    • 友人や家族に試してもらう
    • 「使いたいか?」を確認

AIの活用法

プロトタイプのコード生成は、AIが最も得意とする分野です。ただし、AIコードの限界を理解した上で使いましょう。

プロンプト例

「[技術スタック]を使って、[機能1]と[機能2]だけを持つシンプルなプロトタイプを作ってください。データベースは不要で、ダミーデータで動作すればOKです。」

成果物

  • 動作するプロトタイプ(コード)
  • 技術検証レポート
  • ユーザーフィードバック記録

判断基準

プロトタイプで「実現可能」と判断できたら次へ。無理そうなら構想を見直す(ピボット)。

ステップ3:仕様書作成(2〜5日)

🎯 このステップの目的

開発の「設計図」を作成し、実装時の迷いをなくす。

やるべきこと

  1. 機能仕様書
    • 各機能の詳細な動作
    • 画面遷移図
    • ユーザーストーリー
  2. 技術仕様書
    • ディレクトリ構成
    • データベース設計(ER図)
    • API設計(エンドポイント一覧)
    • 認証・認可の仕組み
  3. 非機能要件
    • パフォーマンス目標(レスポンス時間など)
    • セキュリティ要件
    • スケーラビリティ

AIの活用法

AIに仕様書のドラフトを作成させることができます。ただし、AIが作る仕様書の問題点を理解し、必ず人間がレビューしてください。

成果物

  • 機能仕様書.md
  • 技術仕様書.md
  • API設計書.md
  • データベース設計図(ER図)
警告:「仕様書は面倒」と省略すると、後で何度も「これどうするんだっけ?」となり、結果的に時間を浪費する。

ステップ4:開発・実装(1〜4週間)

🎯 このステップの目的

仕様書に基づいて、実際に動作するシステムを構築する。

やるべきこと

  1. 環境構築
    • 開発環境のセットアップ
    • Gitリポジトリの作成
    • CI/CDパイプラインの設定(任意)
  2. 機能ごとに実装
    • 優先度の高い機能から順に
    • 1機能ごとにテスト
    • 定期的にコミット(Gitに保存)
  3. コードレビュー
    • AI生成コードのレビュー
    • リファクタリング
  4. ドキュメント更新

AIの活用法

この段階でAIは最も活躍します。ジェンスパーク(Genspark)開発の7ステップを参考に、効率的に開発を進めましょう。

時間配分の目安

  • 環境構築:1〜2日
  • フロントエンド:1〜2週間
  • バックエンド:1〜2週間
  • 統合:2〜3日

ステップ5:テスト・デバッグ(1〜2週間)

🎯 このステップの目的

バグを発見・修正し、安定したシステムにする。

やるべきこと

  1. 単体テスト(Unit Test)
    • 各関数が正しく動作するか
  2. 統合テスト(Integration Test)
    • 複数の機能が連携して動作するか
  3. E2Eテスト(End-to-End Test)
    • ユーザーの実際の操作をシミュレート
  4. バグ修正

AIの活用法

  • テストケースの自動生成
  • バグの原因分析
  • 修正コードの提案

成果物

  • テストコード一式
  • バグ修正履歴
  • テスト結果レポート

ステップ6:デプロイ・公開(1〜3日)

🎯 このステップの目的

開発したシステムを本番環境に公開し、ユーザーが使える状態にする。

やるべきこと

  1. 本番環境の準備
    • ホスティングサービスの契約(Vercel、Heroku、AWSなど)
    • ドメイン取得(任意)
  2. デプロイ
    • コードを本番環境にアップロード
    • 環境変数の設定
    • データベースの移行
  3. 動作確認
    • 本番環境での動作テスト
    • パフォーマンス確認
  4. 監視設定
    • エラーログの収集
    • アクセス解析(Google Analyticsなど)

推奨サービス

  • Vercel:Next.jsに最適(無料プランあり)
  • Heroku:多言語対応(無料プラン終了、低価格プランあり)
  • AWS:エンタープライズ向け(従量課金)

ステップ7:運用・保守(継続)

🎯 このステップの目的

システムを安定稼働させ、ユーザーフィードバックに基づいて改善を続ける。

やるべきこと

  1. モニタリング
    • エラーログの定期確認
    • パフォーマンス監視
    • ユーザー数の推移
  2. バグ対応
    • ユーザー報告されたバグの修正
    • 緊急性に応じて優先度付け
  3. 機能追加・改善
    • ユーザーフィードバックを反映
    • 定期的なアップデート
  4. セキュリティ更新
    • ライブラリの脆弱性対応
    • 定期的なセキュリティチェック

継続的な改善

運用は「ゴール」ではなく「新たなスタート」です。ユーザーの声を聞き、システムを進化させ続けることが重要です。

各フェーズでのAI活用ポイント

フェーズ AIの役割 人間の役割
構想・企画 アイデアのブラッシュアップ、類似サービス調査 最終判断、優先順位決定
プロトタイプ コード生成、技術選定のアドバイス 動作確認、フィードバック収集
仕様書作成 ドラフト作成、フォーマット整理 レビュー、詳細化
開発・実装 コード生成、リファクタリング アーキテクチャ設計、コードレビュー
テスト テストケース生成、バグ分析 テスト実行、バグ修正判断
デプロイ デプロイスクリプト生成 環境設定、動作確認
運用・保守 ログ分析、エラー原因特定 優先順位判断、ユーザー対応
ポイント:AIは「実行者」として優秀だが、「判断者」は常に人間。各フェーズで人間が主導権を握ることが成功の鍵。

まとめ:全体像を把握することの重要性

AI開発の全体像を理解することで、以下のメリットが得られます:

  • 迷いがなくなる:「次に何をすべきか」が明確
  • 時間を管理できる:各フェーズの期間を見積もれる
  • 品質が向上する:テストや仕様書を省略しない
  • 完成度が上がる:デプロイ・運用まで見据えた設計
  • 学習効率が上がる:どの知識を学ぶべきか分かる
結論:AI開発は「コード生成」だけではない。企画から運用まで7ステップ全てを理解し、各ステップでAIと人間が協働することで、高品質なシステムを短期間で構築できる。

次のステップとして、ジェンスパーク(Genspark)開発の詳細ワークフローや、構想フェーズの実践ガイドも参考にして、実際の開発を始めてみましょう。


参考リンク: