ジェンスパーク(Genspark)使用中の不具合:私が体験した6つの問題と対応

はじめに

ジェンスパーク(Genspark)は、AIを活用した開発支援ツールです。コード生成から実行、デプロイまでを支援する機能を持ち、スーパーチャットやAI Driveなどの機能を提供しています。

サーチコンソールの検索クエリを確認したところ、「ジェンスパーク(Genspark) 不具合」という検索が複数ありました。私自身もジェンスパークを使用中に様々な不具合に遭遇してきました。

この記事では、私が実際に体験した7つの主要な不具合と、その対処法を紹介します。同じ問題で困っている方の参考になれば幸いです。

注意:この記事で紹介する対処法は、100%の解決を保証するものではありません。あくまで私の経験に基づく対処例です。

不具合の概要

私が遭遇した不具合は、大きく以下の7つに分類できます:

  1. Thinkingで止まる(頻度高・影響大)
  2. 同じ処理を繰り返す(作業記憶喪失)
  3. AI Driveアクセス権限切れ(長時間使用時)
  4. すぐ忘れる、嘘をつく(ハルシネーション)
  5. チャット履歴にアクセスできない(仕様の可能性)
  6. 初期エージェント品質のバラつき(最初から能力が低い)
  7. サンドボックスの内容がクリアされる(揮発性)

それぞれの不具合について、症状・発生タイミング・対処法を詳しく見ていきます。

不具合1: Thinkingで止まる(無限ループ)

症状

スーパーチャットが「thinking...」の状態で止まってしまい、応答がなくなります。マルチタスクを実行している時に特に発生しやすい傾向があります。

頻度:高
影響度:大
この不具合は頻繁に発生し、作業が完全に止まるため影響が大きいです。

私が試した対処法(3段階)

ステップ1: 停止ボタンで再試行

右下の■停止ボタンを押して一旦止め、再度同じ指示を出してみます。これで解決することもあります。

ステップ2: 明示的に停止指示

それでも戻らない場合は、以下のように明示的に指示します:

「一旦強制停止してください、無限ループしています」

ステップ3: 別チャットに移行

上記でも解決しない場合は、諦めて別のスーパーチャットに移動します。この場合、会話履歴などを手動でコピーする必要があります。

予防策

  • 仕様書を作成・更新:細かく仕様書を更新しておくことで、手戻りをある程度防げます
  • マルチタスク禁止指示:頻繁に発生する場合は「マルチタスクは禁止。1つずつ順番に実行してください」と指示します

不具合2: 同じ処理を繰り返す(作業記憶喪失)

症状

直前にやった作業を忘れ、同じ処理を再度実行しようとします。特に「リロードしてください」と指示され、リロードボタンを押すと既に完了した内容を再度実行しようとすることがあります。

私が試した対処法

  • リロードはなるべくしない:リロードを避け、現在の状態をスーパーチャットで確認します
  • 現在の状態を確認:「現在の進捗状況を教えてください」と明示的に聞きます
推測される原因:チャット履歴の管理方式に問題がある可能性があります。リロードによって履歴が正しく復元されないようです。

不具合3: AI Driveアクセス権限切れ

症状

直前まで使えていたAI Driveに突然アクセスできなくなります。長時間スーパーチャットを使用していると発生します。

発生タイミング

1つのスーパーチャットを長時間使用していると、スーパーチャットから「AI Driveにアクセスできません」と表示されるようになります。

私が試した対処法

  • 早めに別スーパーチャットに移行:この症状が出ると、ハルシネーションも激しくなり忘れっぽくなるため、早めの移行を推奨します
  • 移行パッケージを作成:次のスーパーチャットに移行するための移行パッケージを作らせて、ダウンロードしておきます
警告サイン:
・ハルシネーションが増える
・忘れっぽくなる
これらが見られたら、早めの移行を検討してください。

不具合4: すぐ忘れる、嘘をつく(ハルシネーション)

症状

  • すぐに過去の会話内容を忘れる
  • 事実と異なる情報を提示する
  • 過去の決定事項を無視する

推測される原因

チャット履歴を長く保持できないようです。直前の数個の会話以外は、変な風に要約されてしまうことが多いようです。

根本的な問題:AIの記憶容量とコンテキスト管理の限界によるものと考えられます。

私が試した対処法(体系的アプローチ)

この問題に対しては、以下の体系的なアプローチで対策しています:

1. 仕様書作成

プロジェクトの仕様を文書化しておくことで、AIが忘れても参照できるようにします。

詳細はジェンスパーク(Genspark)が嘘をつく問題の記事も参照してください。

2. UML設計図作成

システムの構造を視覚化しておくことで、認識のズレを防ぎます。

3. 品質チェックワークフロー

定期的な品質チェックを行うことで、ハルシネーションを早期発見します。

詳細は以下の記事を参照してください:

4. チャット移行のタイミング管理

適切なタイミングで新しいチャットに移行することで、問題を回避します。

詳細はチャット移行のタイミングの記事を参照してください。

【実例】
試しに現在のスーパーチャットに「会話をいくつまるまる覚えているか」と聞いたところ、「16個覚えている」と答えましたが、さらに「要約ではなく、文字通りまるまる覚えているものをカウントして」と確認したところ、「正直に申し上げると、完全に逐語的に覚えているものは0個です」という回答でした。

スーパーチャットは「意味内容の理解と再構成」はできますが、「原文そのものの記憶」は保持していません。これがハルシネーションの原因の一つです。「覚えている」と錯覚して自信を持って答えてしまうことが、嘘をつく原因になります。

不具合5: チャット履歴にアクセスできない

症状

エージェントがチャット内容を忘れており、過去の会話履歴を参照できません。

真相(考察)

これが不具合なのか仕様なのかは、公式情報が確認できないため不明です。しかし、以下の可能性が考えられます:

  • コンテキストウィンドウの制約:AIモデルには一度に処理できるテキスト量(コンテキストウィンドウ)に限界があります。長い会話では、古い内容が圧縮されたり削除されたりする可能性があります。
  • セッション管理の仕様:ジェンスパーク(Genspark)のシステム設計上、エージェントが全ての会話履歴を参照できない仕様になっている可能性もあります。
注意:公式ドキュメントや公表された仕様書が見つからないため、上記は一般的なAIシステムの特性に基づく推測です。

私が試した対処法

  • 手動でコピペ:エージェントが内容を忘れている場合は、自分でチャット履歴をコピペして提供します
  • 定期的な履歴保存:重要な会話は定期的にテキストファイルとして保存しておきます
実例:試しに現在のスーパーチャットに「この会話で私が言った内容を全て書き出して」と聞いたところ、16個の主要な指示・質問・コメントを記憶していました。これは比較的短い会話ですが、長時間の複雑な会話ではさらに記憶が不完全になる可能性があります。

不具合6: 初期エージェント品質のバラつき

症状

新しいチャットを開いたとき、最初から明らかに能力が低いエージェントに当たることがあります。理解力・実行力が通常より著しく低い状態です。

推測される原因

初期パラメータの影響と推測されますが、詳細は不明です。以下のようなAIシステムの一般的な特性が関係している可能性があります:

  • モデルインスタンスの違い:複数のAIモデルインスタンスが並行して動作している場合、インスタンスごとに性能差が生じることがあります。
  • ランダムな初期化:AIモデルは起動時にランダムな初期値(乱数シード)を使用することがあり、同じ質問でも異なる応答品質になることがあります。
  • サーバー負荷の影響:サーバーの負荷状況によって、応答速度や品質が変わる可能性もあります。
補足:これは多くのAIサービスで見られる現象で、ジェンスパーク(Genspark)に限ったことではありません。ChatGPTやClaudeなど他のAIツールでも同様のバラつきが報告されています。

私が試した対処法

  • 早めに見切りをつける:能力が低いと感じたら、無駄な時間を使わず別のチャットで作業し直します
  • 最初の2-3回で判断:最初のやり取りで明らかに理解力が低い場合は、すぐに切り替えます
判断基準:最初の簡単な指示に対する反応で判断します。通常なら即座に理解できる内容を何度も聞き返す場合は要注意です。

不具合7: サンドボックスの内容がクリアされる

症状

サンドボックス(/home/user/)に保存していたファイルが、一定時間経過後に消失します。

発生タイミング

一定時間が経過するか、特定の操作を行うとサンドボックスの中身がクリアされるようです。正確な条件は不明です。

私が試した対処法

  • AI Driveへ定期保存:重要なファイルは随時AI Driveへコピーします
  • /mnt/user-data/outputs を使用:このディレクトリは比較的永続性が高いようです
  • サンドボックスを過信しない:一時作業領域として使い、成果物は必ずAI Driveへ移動します
警告:サンドボックスは揮発性のため、重要なファイルは必ずAI Driveへ保存してください。

ネット・公式サイトで確認された情報

公式の不具合情報

Genspark公式サイトでは、ヘルプセンターで不具合情報や使い方のヒントが提供されています。他にも様々な不具合が報告されているようです。

公式の不具合情報はこちら:

推奨:問題が発生した際は、まず公式ヘルプセンターを確認して、既知の問題や公式の推奨対処法がないか確認することをお勧めします。

コミュニティで報告されている問題

Redditなどのコミュニティでは、以下の問題が共有されています:

記憶の問題

クレジット消費の問題

コミュニティ参考リンク:

トラブルシューティングガイド

公式やコミュニティでは、以下のようなトラブルシューティングガイドも公開されています:

主な問題

  1. パフォーマンスとスピードの問題:処理が遅い、レスポンスが返ってこない
  2. 接続・ネットワークエラー:ログインできない、タイムアウト
  3. Android版のバグ:通知不足、戻るボタンの不整合

トラブルシューティング参考リンク:

対策方法のまとめ

予防的アプローチ

  1. 仕様書・設計図の徹底:プロジェクトの重要な情報を文書化
  2. 定期的な履歴保存:会話内容を定期的にバックアップ
  3. マルチタスクの制限:複雑なタスクは分割して1つずつ実行
  4. 移行パッケージの準備:長時間作業の場合は定期的に作成

対症療法

  1. Thinkingループ → 3段階の対処法(停止→明示的指示→移行)
  2. 記憶喪失 → リロード回避、状態確認
  3. 権限切れ → 早めの移行、移行パッケージ作成
  4. ハルシネーション → 仕様書・品質チェック体制の整備
  5. 履歴アクセス不可 → 手動コピペ提供
  6. 低品質エージェント → 早めの切り替え

メンタル面

重要な心構え:
・不具合は必ず起きる前提で作業する
・完璧を求めない
・回避策を常に用意しておく

関連記事:

まとめ

この記事では、私が実際に体験したジェンスパーク(Genspark)の7つの不具合と、その対処法を紹介しました。

主なポイント:

  • 不具合1「Thinkingループ」は頻度高・影響大で、3段階の対処法が有効
  • 不具合2「記憶喪失」はリロードを避けることで軽減可能
  • 不具合3「権限切れ」は早めの移行と移行パッケージ作成で対応
  • 不具合4「ハルシネーション」は仕様書・品質チェック体制で軽減
  • 不具合5「履歴アクセス不可」は仕様の可能性、手動対応が必要
  • 不具合6「品質バラつき」は早めの切り替えが効果的
  • 不具合7「サンドボックスクリア」はAI Driveへの定期保存で予防

AIツールとの効果的な付き合い方:3つの原則

1. 「不完全さ」を受け入れる
AIツールは完璧ではありません。忘れる、間違える、止まることは「当たり前」として作業を進めることで、ストレスが大幅に減ります。

2. 「予防的アプローチ」を徹底する
仕様書、UML設計図、会話履歴の蓄積、品質チェックワークフローなど、「忘れられても困らない仕組み」を整備することが、長期的な生産性向上の鍵です。

3. 「柔軟な対応」を心がける
1つの方法にこだわらず、問題が発生したら別のアプローチを試す柔軟性が重要です。チャット移行、手動保存、代替ツールの併用など、複数の引き出しを持つことが大切です。

今後の展望

ジェンスパーク(Genspark)は継続的に機能改善が行われています。公式サイトやコミュニティで報告された問題の多くは、将来的に解決される可能性があります。

今後に期待したい改善点:

  • コンテキストウィンドウの拡大(長い会話の記憶保持)
  • Thinkingループの自動検出とリカバリー
  • セッション管理の透明性向上(権限切れの通知など)
  • エージェント品質の安定化
注意:この記事で紹介した対処法は、100%の解決を保証するものではありません。状況に応じて適切な方法を選択してください。

ジェンスパーク(Genspark)は便利なツールですが、不具合も存在します。不具合を理解し、予防的な体制を整え、柔軟に対応することで、AIツールをより快適に、より生産的に使用できるようになります。

同じような不具合で困っている方の参考になれば幸いです。